2021.
02.06
(土)
<新・音楽の未来への旅>シリーズ いずみシンフォニエッタ大阪 第45回定期演奏会 「飛翔する感性」
●出演者
大井剛史(指揮)
上野耕平(サクソフォン)
いずみシンフォニエッタ大阪
●演奏曲目
I.ストラヴィンスキー:ダンス・コンセルタント(1942)
J.ヒグドン:ソプラノサクソフォン協奏曲(2005)
酒井健治:Photons(2015)
M.カーゲル:DIVERTIMENTO?(2005-06)
●聴きどころ
踊る、輝く、驚かせる‥‥!凄腕揃いの室内オーケストラ、いずみシンフォニエッタ大阪がおくる第45回定期演奏会は、現代音楽の多彩な面白さ・深さ・新しさを追究してきたこの楽団ならではのプログラムで、初めてのかたにも愉しく、聴き巧者の皆さんもうならせる音楽体験をお届けします。
まずは爽やかに。──洒落ていながらひねりの利いた、聴くほどに味の深まる愉しい傑作を。20世紀の巨匠ストラヴィンスキーが作曲した《ダンス・コンセルタント》(協奏的舞曲)は、あらすじのないバレエを観ているような‥‥クラシックな聴きやすさにも、リズムの巧みや響きのモダンな表情が素敵な逸品です。
そして美しく。──アメリカ生まれの作曲家、ジェニファー・ヒグドンの〈ソプラノサクソフォン協奏曲〉(2005年)は、詩的な抒情をたっぷりと歌いながら、懐かしさに満ちたサウンドにも現代の感性がクリアに貫かれたコンチェルトです。歌の色つや深いソロの豊かな表現力が、室内オーケストラの親密な厚みや躍動感とも呼応して、心地良い印象を残すはず。
ソリストに迎える上野耕平は現代サクソフォン界に新境地を拓く優駿。クラシカルな作品の緻密で清新な解釈から現代曲の超絶技巧まで、心身に融かすが如く自在に吹きまくるその演奏は、間違いなく世界クラスです。その彼がもう1曲、酒井健治《Photons》(2015年)でも壮烈に難易度の高い表現を駆けて、魅せます。──大阪生まれ、フランスを拠点に活躍してきた酒井健治の作品は、こだわり抜いた精緻な音はこびに充ちる色豊かなエネルギーとその放射‥‥聴き手を惹きこむ力のみなぎる音世界が高く評価されてきました。フォトン(光の粒子──いわゆる光子)をタイトルに冠した今回の作品、独奏サクソフォンと8楽器という小編成に磨き込まれた表現の極限を、精鋭揃いの演奏陣ならではの、またとない輝きに魅せてくれるでしょう。
酒井作品の世界初演も手がけ、現代曲や吹奏楽など幅広く活躍する俊英・大井剛史を指揮に迎える今回、最後はアルゼンチン生まれの鬼才・カーゲルの《DIVERTIMENTO?》(2005〜06年)と、これまた実演でなければ分からない必見作品です!──かつて、いずみシンフォニエッタ大阪の実演がテレビで広く紹介され話題になった《フィナーレ》という作品では、演奏中に指揮者がぶっ倒れるアクションをはじめ仰天の仕掛けが常識を揺さぶったのですが、今回もタイトルにはてながついているあたり、昔は〈嬉遊曲〉と訳された古い形式〈ディヴェルティメント〉をどうひっくり返すのか‥‥。副題に〈アンサンブルのためのファルス(=笑劇、茶番)〉とある本作、舞台上で音楽家たちが演じる動きのすべては楽譜に綿密な指示があってのこと。それをきっちり演じきってこその、ユーモアと皮肉と鮮烈な驚き‥‥芸術の最先鋭と笑いの精神を共に深く愛するいずみシンフォニエッタ大阪でなければなし得ない上演を、マエストロ大井の誠実かつしなやかで視野広い指揮と共に。唯一無二が、ここにあります。
まずは爽やかに。──洒落ていながらひねりの利いた、聴くほどに味の深まる愉しい傑作を。20世紀の巨匠ストラヴィンスキーが作曲した《ダンス・コンセルタント》(協奏的舞曲)は、あらすじのないバレエを観ているような‥‥クラシックな聴きやすさにも、リズムの巧みや響きのモダンな表情が素敵な逸品です。
そして美しく。──アメリカ生まれの作曲家、ジェニファー・ヒグドンの〈ソプラノサクソフォン協奏曲〉(2005年)は、詩的な抒情をたっぷりと歌いながら、懐かしさに満ちたサウンドにも現代の感性がクリアに貫かれたコンチェルトです。歌の色つや深いソロの豊かな表現力が、室内オーケストラの親密な厚みや躍動感とも呼応して、心地良い印象を残すはず。
ソリストに迎える上野耕平は現代サクソフォン界に新境地を拓く優駿。クラシカルな作品の緻密で清新な解釈から現代曲の超絶技巧まで、心身に融かすが如く自在に吹きまくるその演奏は、間違いなく世界クラスです。その彼がもう1曲、酒井健治《Photons》(2015年)でも壮烈に難易度の高い表現を駆けて、魅せます。──大阪生まれ、フランスを拠点に活躍してきた酒井健治の作品は、こだわり抜いた精緻な音はこびに充ちる色豊かなエネルギーとその放射‥‥聴き手を惹きこむ力のみなぎる音世界が高く評価されてきました。フォトン(光の粒子──いわゆる光子)をタイトルに冠した今回の作品、独奏サクソフォンと8楽器という小編成に磨き込まれた表現の極限を、精鋭揃いの演奏陣ならではの、またとない輝きに魅せてくれるでしょう。
酒井作品の世界初演も手がけ、現代曲や吹奏楽など幅広く活躍する俊英・大井剛史を指揮に迎える今回、最後はアルゼンチン生まれの鬼才・カーゲルの《DIVERTIMENTO?》(2005〜06年)と、これまた実演でなければ分からない必見作品です!──かつて、いずみシンフォニエッタ大阪の実演がテレビで広く紹介され話題になった《フィナーレ》という作品では、演奏中に指揮者がぶっ倒れるアクションをはじめ仰天の仕掛けが常識を揺さぶったのですが、今回もタイトルにはてながついているあたり、昔は〈嬉遊曲〉と訳された古い形式〈ディヴェルティメント〉をどうひっくり返すのか‥‥。副題に〈アンサンブルのためのファルス(=笑劇、茶番)〉とある本作、舞台上で音楽家たちが演じる動きのすべては楽譜に綿密な指示があってのこと。それをきっちり演じきってこその、ユーモアと皮肉と鮮烈な驚き‥‥芸術の最先鋭と笑いの精神を共に深く愛するいずみシンフォニエッタ大阪でなければなし得ない上演を、マエストロ大井の誠実かつしなやかで視野広い指揮と共に。唯一無二が、ここにあります。
文:山野雄大[ライター(音楽・舞踊評論)]
チケット
●料金
一般=¥5,500
学生=¥1,000
住友生命いずみホールフレンズ会員=¥4,950
●発売日
フレンズ:2020年10月2日/一般:2020年10月9
★ユース・シートにご招待
「本物の感動を今、若い世代に」体験していただくため、この公演に青少年をご招待します。この機会にいずみホールでクラシック音楽を聴いてみませんか。
《対象》小学生以上 18歳以下(公演当日、年齢を確認できるものをご持参ください)
《申込方法》一般発売日10月9日(金)~ 住友生命いずみホールチケットセンター(06-6944-1188)で受付(先着順・限定数)
《対象》小学生以上 18歳以下(公演当日、年齢を確認できるものをご持参ください)
《申込方法》一般発売日10月9日(金)~ 住友生命いずみホールチケットセンター(06-6944-1188)で受付(先着順・限定数)
お問合わせ
住友生命いずみホール チケットセンター 06-6944-1188
住友生命いずみホールフレンズ優先発売/10月2日(金)10:30~、一般発売/10月9日(金)10:30~
主催
●主催
住友生命いずみホール〔一般財団法人 住友生命福祉文化財団〕
●協賛
助成:公益財団法人 花王芸術・科学財団、公益財団法人 野村財団/大阪市助成公演
文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)独立行政法人日本芸術文化振興会